箕面・瀬川の“センダンの大木”に花が咲く~ 甘さ&文化の香りただよう・・

★ 大枝せん定後の“センダンの大木”が開花・・ホッとする住民 ★

 

 箕面市のシンボルツリーの一つ、箕面川と石澄(いしずみ)川との合流点に立つ“瀬川のセンダンの大木”に、かわいい花が咲きました

花がたわわに咲く-瀬川の“センダンの大木”
花がたわわに咲く-瀬川の“センダンの大木”

 実は、この木の管理者の大阪府(池田土木事務所)が、この3月に北側の駐車場(民有地)へ越境する大枝を2本ほどをバッサリ切りました。

 

 でも、このほど開花し、この木の保護を望む住民はとりあえずホッとしてます。

府職員や住民などが見守る中 - センダンの越境枝のせん定作業(今年3月)
府職員や住民などが見守る中 - センダンの越境枝のせん定作業(今年3月)

★ 正面の姿は今のところ保全 ★

 

 また、春を迎え葉や花が付いた“センダンの大木”を正面(箕面川南岸)から見た場合は、せん定後も以前のゆったりとした姿をほぼ保っています。

正面からの姿は昨年11月(左)と今年5月(右)とはほぼ同じ。背後は大枝が切られ迫力を失ってますが・・。
正面からの姿は昨年11月(左)と今年5月(右)とはほぼ同じ。背後は大枝が切られ迫力を失ってますが・・。

 

★ センダンの花は、唱歌や万葉集に登場 ★

 

 唱歌『夏は来ぬ』の4番にセンダンの花が登場します。
 

 瀬川のセンダンに関心を持つ市民の方からの情報です。
 なお、「おうち」とは、センダンの古くからの別名。

 

 卯(う)の花の、匂う垣根に
 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
 忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ

        

        ・

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 おうち(楝) ちる、川べの宿の
 門(かど)遠く、くいな(水鶏)声して
 夕月すずしき、夏は来ぬ
             (作詞・佐佐木 信綱) 

 

川面を流れゆく~センダンの花たち・・(箕面川で)
川面を流れゆく~センダンの花たち・・(箕面川で)

 

 万葉(まんよう)の歌人・山上憶良(やまのうえ おくら)もセンダンの花を歌ってます。

 

 「妹(いも)が見し 楝(おうち)の花は散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに」

 

 私の涙がまだ乾かないうちに、妻が見ていたセンダンの花は散ってしまう・・奥さんをしのぶ歌です。

 

 センダンの花は情緒ある姿や甘い香りで昔から多くの人々に親しまれて詩歌にも詠まれた“文化の香り”ただよう花ですね。

淡い紫色のお花・・
淡い紫色のお花・・
秋には、まあ~るい実を結びます(昨秋)
秋には、まあ~るい実を結びます(昨秋)

【コメント】~ 地元は「シンボルツリー」を守り生かす活動へ ~

 瀬川の“センダンの大木”は箕面川と石澄川との合流点という目を引く川岸にそそり立つこともあり、箕面市及び瀬川など地域の主なシンボルツリーとして、長年、親しまれて来ました(市の広報紙『もみじだより』(昨年3月号)などにも取り上げられてました)。

 ところが、昨秋に府が治水上の理由から全面伐採計画を打ちだし、これに対し地元住民は地域のシンボルだとして「瀬川センダンの会(仮称)」を結成、保護と活用を望んで府と話し合い中。
 府は全面伐採の姿勢は崩していないものの、その実施はとりあえず平成25年度に繰り延べしました。
 なお、先の越境枝のせん定は、住民側も了解の上、行われました。

 現在、住民の間には“センダンの大木”を残す方向でしっかりした護岸を行うとともに、“センダンの大木”を核に付近の鎮守(ちんじゅ)の森や川辺林などを含め“蛍飛ぶ 親水・散策の場”を整備していくことを望む声が広がっています。


MEMO:「実の写真」以外は、主に5/27撮影。
                             【プロジェクトみどり事務局】